一般電卓で正の数の三乗根
・図書室で読んだ本に面白いことが書いてあった.
それは普通の電卓で三乗根(の近似値)を計算するというものだった.普通の電卓というのは三角関数などの機能もない100円ショップで手に入るような極めて身近な電卓である.
・その計算方法
① 1を入力
② 2をかける
③「√ 」のボタンを2回続けて連打
④ ②,③の操作をもう一回
⑤ ④の操作を1セットをしても値が変わらなくなるまで、④を繰り返す
⑥ 値が変わらなくなったときの値が である
手元の電卓で実際にやってみる
となったから,
実際に三乗を計算すると, で の近似値と言える.
・以降、三乗根の近似値が求まる原理を数学的に書いていく
2をかけて2回√ をとるという一連の操作が 回行われたときの値を とおくと,
であり, となる
よって,
この漸化式を解くと,
つまり, だから, 数列 は に 収束する.
この証明から②の「2をかける」の部分を「3をかける」や「5をかける」に変えれば,それぞれ の近似値が得られる.
・感想
確かめてみると原理に何も疑うところはないのだが、三乗根は電卓のルート計算で求められるという発想がなかったので、新鮮だった.
・参考文献
数理解析研究所講究録1920 RIMS共同研究 「数学教師に必要な数学能力の育成法に関する研究」p113 http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/1920.html